2014年11月11日

自然の息吹を感じながら、汗を流す醍醐味、後世に遺る建造物を造るやりがい

株式会社米倉組 (南砺市)
土木部 内澤貴幸さん (40)

Q1.いまどんな仕事をしていますか?

山深い南砺市利賀村に現場はありますが、庄川水系の坂上谷砂防堰堤工事で現場管理を行っています。
現場では、図面通りに仕上がっているかどうか、資材の搬入、工事進捗状況はどうか、安全面の維持に問題がないかなどを毎日一つ一つ確認していきます。もちろん、指示出しや作図だけでなく、現場で大型の重機で土を掘り起こしたり、足場を組んだり、コンクリート打ちをしたりと、作業に当たるものと一緒に汗を流しています。
利賀村は豪雪地帯で、冬になればどの現場も作業がストップするため、降雪時には深夜から大型の除雪車を使って道路除雪に当たります。地域住人の暮らしを守るということにやりがいを感じますね。

Q2.建設業で仕事をしようと思ったきっかけは? それはいつ頃ですか?

北海道にある大学の建築系学部で、土木を専攻しました。4年生のときにコンクリート工学の教授の講義を聴き、興味を持ったことが建設業に就くきっかけになりました。コンクリートはあらゆる建築物に使われ、安全・安心な暮らしに欠かせない建築資材です。卒業論文もコンクリートの特長などについてまとめ、実際にどんなところに使われているのか興味がどんどん湧いてきましたね。その後、富山にUターン就職し、舗装工事、土木工事の経験を積み、現在に至っています。

Q3.建設業で働く魅力はどんなところですか?

現在、造っている砂防堰堤は高さ約8m、幅40m。下流にある集落、人命、財産を土石流などの自然災害から守ることが目的です。日本各地で自然災害による痛ましいニュースを目にしますが、人命、財産が失われないよう、自分たちの手で防ぐことができれば、何よりもうれしいことです。
近年の気象は異常だと感じています。雨量が多いというか、降り始めるとバケツをひっくり返したようになります。まさに堰堤の建設は備えあれば、憂いなしです。

Q4.この仕事の一番のやりがいは何ですか?

工事に携わる建造物の形、大きさは同じものがありません。ほとんど1点もの、オーダーメイドです。後世に残るものなので、恥ずかしいものは造れません。
造り終えた後には、課題が必ず出てきます。次の現場ではこんなことに注意しようと、目標設定しながら課題を一つ一つクリアしていく。そこに人間としての成長があると思います。やりがいを感じますね。

Q5.今までで一番印象に残っている仕事は何ですか?

東海北陸自動車の現場ですね。橋脚の基礎の部分などの建設工事に携わりました。目には見えないところですが、どんなものでも基礎が大切でしょう。
完成し、家族と車で走ったときは感慨無量でしたね。東海北陸自動車は東海と北陸をつなぐ大動脈。社会のインフラ整備に関われていることに大きなやりがいを感じて仕事をしていた当時が今も懐かしく思い出されます。

Q6.建設業は「3K」のイメージがありますが、どう思いますか?

確かに、山の中の現場は急斜面のところも多く、危険を伴う作業をしなければならないこともあります。冬には気温がマイナスになる日もあります。辛抱の要る仕事だとは思います。でも私は自然が大好きで、自然の息吹、四季の移り変わりを肌で感じることができるこの仕事が気に入っています。自然が好きな人、屋外で働きたいと思う方にはぴったりだと思います。

Q7.休日はどう過ごしていますか? 趣味はありますか?

緑に囲まれているのが好きなので、小学生の子どもをキャンプに連れていって、バーベキューを楽しんでいます。冬はスキーにも行きます。また、地元の利賀村で2月に開催される「南砺利賀そば祭り」や10月の「どーんと利賀の山祭り」などのイベントにも家族と参加して、手打ちそばや山菜など、山里の味覚に舌鼓を打っています。最近では、両親も連れて、三重や愛知方面に家族旅行に行ってきました。また、学生時代を過ごした北海道へ家族旅行したいと思っています。ぜひ実現させたいですね。

Q8.目指していることはあります?

いただいた仕事を一点、一点、確実に造っていくことです。技術革新がはやく、絶えず新しい土木技術が生まれています。この技術がどこかに役立つかと言われば、役に立たないことも多い。技術を見極めて、自分なりに勉強していきたいと思っています。
砂防堰堤の中には今、すぐに必要かと言われれば、そう見えないものもあるかもしれませんし、いつか必要なときが訪れるかもしれません。一般の方にはわからないことが多いと思いますが、縁の下を支える仕事として頑張っていきたいと思います。

Q9.建設業を志す方へアドバイス、メッセージを

飛び込んで働いてもすぐには一人前になれない業界です。経験がなによりです。だからこそ懸命にスキルアップし、技能、技術を身に付けていくと、それを必要とする仕事、会社にめぐり合うことができます。どんな仕事も辛抱が要ると思いますので、ぜひ建設業に就いていただき、技能、技術を継承してほしいですね。
現場の1日の流れ
8:00 朝礼、KY活動、作業開始
10:00~10:15 休憩
10:15~12:00 作業
12:00~13:00 昼食・休憩
13:00 打ち合わせ、安全確認後、作業
15:00~15:15 休憩
15:15~16:50 作業
16:50~17:00 作業終了・後片付け
17:00~ 明日の作業確認
18:00~ 帰宅

 
株式会社米倉組
〒939-2517 富山県南砺市利賀村阿別当1
TEL:0763-68-2678

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