朝日建設株式会社 (富山市)
第二工事部 (八尾オフィス)
主任 筒井 恵 さん
Q1.いまどんな仕事をしていますか。
Q2.男性社会というイメージが強いですが、建設業を仕事にしようと思ったきっかけは。また、それはいつ頃ですか。
橋を作る仕事に携わりたいと思ったのが、土木に興味を持ったきっかけです。何もないところから橋が出来、道路が出来る・・・そんな物を創る仕事に携わりたいと進路を考えた時、建設業を選びました。
Q3.建設業への入職の不安はありましたか。また、実際に働いてみてどう思いましたか。
会社の就職試験の面接で、女性技術者が働いていることを知りました。入社時は女性が3名ほど現場に出ていましたので、不安は感じませんでした。現場にはキャンピングカーのような休憩車が導入されていて、車内には長いすやテレビ、トイレもあります。現場でトイレで困った事はありません。
入社して半年くらい経って初めて現場を担当しました。何をどうしたらいいのかわからず、言葉の荒い先輩作業員から「帰れ!お前いらん」と言われたことが今も心に残っています(笑)。それでも、帰るわけにはいきませんでした。心が折れなかったのは、「この仕事を3年、続けよう、我慢しよう。それから将来を考えよう」という思いが自分の中にあったからです。実際に働いてみて、建設業は多くの人が関わりながらインフラを立ち上げていくとても魅力的な業界だと思います。
Q4.「女性が働きやすい職場」とはどのようなものだと思いますか。
女性が働きやすいということは、男性にとっても働きやすい職場だと言えるのではないでしょうか。女性だから特別だと言われることには違和感があります。性別を問わず、各々に責任とやりがいを見出せる職場が働きやすい職場だと考えています。もちろん女性には出来ない力仕事などもありますし、家庭の事情で生活環境が変わる事も多いので、その事情を理解してくれる上司の寛容さは必要だと思います。
これからの建設業界は、もう女性が特別という時代ではなくなると思います。建築会社でも女性が活躍していますし、こうして土木や建築の現場に入る女性が増えている事を思うと、まだまだ男社会ではありますが、昔からみると働きやすい職場に変わってきているのではないかと思います。
Q5.建設業で働く魅力、やりがいはどんなところですか。
建設業の役割は、道路や橋といった公共施設を造るだけではありません。災害が起こった時に、真っ先に駆けつけ、生活に必要なライフラインの確保や復旧活動を行う、地域に欠かせない存在なのです。直接感謝されることはありませんが、陰ながら人々の財産や生命を守るインフラ整備に携わっている事を私は誇りに思っています。
Q6.この仕事の一番のやりがいは何ですか。
舗装の厚みは国道や県道などの区別、交通量による荷重の影響、工法や材料の違いも考慮して決まります。役所と協議しながら工事を進め、黒々とした舗装道路が完成し、検査時に「これで検査を終わります」という一言が聞けた瞬間が一番ほっとします。
どんなに小さな現場でも携わる人の思いが詰まっています。車を運転する人が安全に、歩行者が安全に歩きやすいようにといった、その道路を使う人の事を考えて施工しています。現場は一人の力では成り立たず、多くの人が関わりながらインフラを立ち上げていきます。全員が同じ目的に向かって努力することで、完成時、心に満たされる達成感は言葉に表す事が出来ないほど何事にも代えがたく、やりがいに繋がっています。
「端(周囲)を楽にする」ではたらく。働く事で得られる達成感や感動は建設業特有だと思います。今後もこれまでに作られてきた道や橋の補修、維持などやるべき仕事はたくさんあります。
Q7.建設業は3Kというイメージがありますが、どう思いますか。
キツイ、汚い、危険、これらを合わせて3Kと世間では言われています。イメージが先行しているところがあり、3Kと言われると腹立たしく思う半面、内心では私自身も3Kに近いと感じることもあります。現場で相手にするのは200℃近い高温のアスファルトで、夏場は照り返しも強く、過酷な環境の中での作業となります。実際、夏は暑いし、冬は寒いです。
しかし、昔から見ると働く環境が改善されている事も事実で、建設業=3Kとは一言で言われたくないです。私たちは常に、作業員の健康面、安全面を一番に考え、作業しています。
Q8.休日はどのように過ごされていますか。
10年ほど前から池坊のいけばな教室に通っています。気持ちがリフレッシュできます。無心にもなれます。ほかには、低い山ですが、毎年山に登っています。キャンプやアウトドアも楽しんでいます。海外旅行も好きで、仕事が忙しくない冬場に土日を絡ませて、休暇を取って出掛けています。3年前にはパリに行ってきました。ルーブル美術館やエッフェル塔、世界遺産のモン・サン=ミシェルなどを巡りました。イギリスやイタリア、スペインも行ってみたいですね。
Q9.今までで一番印象に残っている仕事は何ですか。また、失敗したことはありますか。
入社3年目で担当した現場で、高齢の方がバイクで転倒されました。工事看板はもちろん設置していましたし、通行者への配慮をしていたつもりでした。しかし、自分の安全に対する配慮がもう少しあれば事故は起こらなかったとすごく悔やみました。申し訳ないというよりも自分の不甲斐なさに落ち込みました。二度とこのような事故は繰り返してはならないと、自分への戒めとなりました。
Q10.将来の目標は何ですか。
目標は、「端(周囲)を楽にする=はたらく」を継続、また自分なりに身近な人や社会の役にも立てるよう努力していくことです。
Q11.建設業を志す女性へのアドバイス、メッセージを。
女性だからといって現場で特別なことをしているわけではありません。建設業はまだまだ男社会なのは事実ですが、男性しか出来ないという仕事ではありません。性別は関係なく、どのように会社に貢献するか、与えられた役割にいかに気付き、どれだけ努力できるかだと思います。
仕事は楽しいことばかりではないかもしれませんが、職場は男性が多いため、サバサバした雰囲気です。女だから男だからということにあまりこだわりを持たず、建設業に興味を持つ方を歓迎します。
現場の1日の流れ
7:30 | ラジオ体操 現場説明 KYK 現場準備 |
8:00~ | 現場作業 開始 (10:00~10:15頃 休憩) |
12:00~13:00 | 昼休憩 |
13:00~ | 現場作業 (15:00~15:15頃 休憩) |
17:00 | 作業終了 |
18:00 | 書類作成 |
18:30 | 帰宅 |