2020年10月20日

山間部の工事では、急な天候変化や台風等の異常気象への備えが欠かせません

高尾建設 株式会社 (富山市)
 副課長 若林 俊克さん

Q1.現在、どんな仕事をしていますか。

北陸地方整備局 立山砂防事務所が発注した「R2 サブ谷砂防堰堤補強工事」で現場代理人、監理技術者として施工管理の仕事をしています。

サブ谷砂防堰堤は、立山カルデラ内を流れる真川と湯川との合流点から約700m下流に位置しています。平成17年6月の大雨による異常出水で本堤の前庭部が洗掘され第1副堰堤も底抜けしたため、第1副堰堤の下流に新たに副堰堤を築造する計画で工事が進められています。工事では既設第1副堰堤下流の河床を掘削するため、薬液注入による止水対策を行ってから、コンクリート打設作業を進めています。
カルデラ内の工事は、有峰林道が開通している6月1日から10月30日までの5ヶ月間という短い期間でしか施工できないため、協力業者との打ち合わせを綿密に行い作業に遅れが生じないように互いに協力しあいながら進めています。
特に安全管理では、現場が山間部であり急な降雨時には河川の増水や土石流発生等が考えられるため、緊急時の避難体制を構築し、気象状況の把握、急な天候変化への対応、台風等の異常気象への備えは欠かせないので、常に考え気を付けているところです。

Q2.建設業を選んだ理由、仕事のやりがいを教えてください

高校では建築を学んでいましたが、建設業をやりたいと思って入学したのではなく、小学生のときからしているハンドボールをやりたいがために富山工業高校に進学しました。
自分の時代はいわゆる就職氷河期と言われた頃で、建設業の就職先が少なかった中、高校に求人が来ていた今の会社へ就職しました。
現場での仕事内容は、日々変化していき、毎日苦労しながらも最後には構造物が出来上がります。完成した構造物を見ると達成感がありますね。また、自分が携わった構造物がずっと残って行くので、社会に貢献出来ているのかなぁとも思います。

Q3.現場の環境について教えてください

現場では、建設機械を使用する作業、高所での作業、急峻な斜面での作業など、危険を伴う作業があります。その危険をなくすために現場では、毎日、安全ミーティングや現場巡視を行い、さまざまな工夫や改善しながら安全対策を行っています。
また、快適トイレの導入や乾燥室を導入したりと、作業員の方が快適に作業できるように工夫を行っています。今年は梅雨が長く続いたので、乾燥室は大変役立ちました。

Q4.休日はどのように過ごしていますか?

平日は現場近くにある寄宿舎で寝泊まりしながら工事を進めているので、週末に下山して自宅に帰ることになります。自宅へ帰るといつも娘の笑顔に癒されます。娘はもうじき3歳になるのですが、よく近くの公園へ散歩に行きます。
この現場では、施工期間が短いうえに天候にも左右されやすいという大変厳しい現場のため、残念ながら4週8休は確保できていません。これから色々と工夫しながら、休日の確保に向けて努力したいです。
ただ、工事が終わって下山してからは休日に働いた分を振替えて休みを取得できるので、年間を通した休日は4週8休程度を確保できています。

Q5.将来の目標を教えてください

土木工事は幅広い経験や知識が必要だと思います。私はこれまで砂防工事に約10年携わってきましたが、今後機会があれば、砂防以外にもいろんな工事に携わって経験、知識を身に付けていきたいですね。また、その経験や知識を若手技術者とコミュニケーションを図りながら教えていきたいです。

Q6.建設業を志す方へのメッセージ

ひとつの土木構造物をつくるには、現場を管理する人、建設機械を運転する人、そして、現場で型枠やコンクリート打設を行う人など、様々な人が関わって現場は成り立っています。
最初はわからないことが多いと思いますが、人とのつながりを大事にし、周囲の先輩方と積極的にコミュニケーションを図って、わからないことを聞くとよいと思います。
「誠実・素直・使命感」をもって頑張りましょう。

現場の1日の流れ
7:00~ 寄宿舎から現場事務所へ移動、準備など
8:00~ 8:20 朝礼、ラジオ体操、危険予知活動
8:30~ 8:30 重機・設備等の始業点検
8:10~12:00 作業開始
 作業中の指導監督、施工管理、安全巡視、測量など
(途中15分休憩)
12:00~13:00 昼休み
13:00~13:10 工程打ち合わせ
13:15~16:50 作業中の指導監督、施工管理、安全巡視など
(途中15分程度の休憩)
16:50~17:00 作業終了、片付け、終了時の確認
17:00〜18:30 書類作成、寄宿舎へ帰る
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